Zavitalis

インストゥルメンタルメタルと散文詩による芸術表現の実験

不条理文学的な詩と変拍子やDjentのメタルサウンドで、脳内に新世界を描き出そうとする試み

Released Works

以下の作品は、インストメタルによる音楽と散文詩によって表現された芸術作品です。

Geometric Forms of Thought

思考の形態にまつわる3つの作品

思考建築

私の頭の中で音がする。 かすかにだが、 金属音、コンクリートを流し込む音、重機の振動音。 まるで頭蓋骨の中で工事が始まったような感じだ。 脳の病気を疑って病院へ行ったが、 最新の医療器具で何度も検査をしてみても、 医師たちは首を傾げ「異常なし」と告げた。 だが私には確かに聞こえていた。今度は足場を組む音が。 そして、私はこの音の正体を理解した。 これは、思考が物質化する音。 概念が形を得る振動。 意識が建築されていく過程の音なのだと。 二週間目、最初の柱が立った。 それは「疑問」という名の柱で、螺旋状に天井まで伸びていた。 その隣には「論理」の柱。冷たい金属のような手触りで、 完璧な直線を描いている。 気がつけば、私の思考は建築現場と化していた。 私は毎朝、新しい階を発見した。 三階には「仮説の部屋」があり、 そこには未検証の理論たちが、実験器具とともに並んでいた。 四階には「矛盾の廊下」が延々と続き、 その先では相反する思考たちが永遠の議論を続けていた。 建築家の姿を見たのは、五階が完成した日だった。 彼は私によく似ていたが、どこか違っていた。 まるで鏡に映った自分が、少しずれて動いているような。 彼は黙々と設計図を描き、新しい階を築き続けた。 「なぜここで建てるんです?」と私が尋ねると、 建築家は初めて私の方を向いた。 「これは、あなたの思考の具現化なんです」 その瞬間、私は理解した。 彼は私の中の建築家だった。 抽象的な思考を具体的な形に変換し、 私という意識を建築している存在だった。 六階には「可能性の温室」が作られ、 まだ結論に至っていない思考実験が育っていた。 七階には「概念の図書館」が広がり、 定義と意味の網目が無限に広がっていた。 ある日、八階で見知らぬ存在に出会った。 彼らは私の未完の思考たちだった。 完成されなかった理論、否定された仮説、放棄された問い。 彼らは私の中で進化を続け、建物の新たな機能となっていった。 九階は「思考の展望台」。 そこからは私の意識の構造が立体的に見渡せた。 建築家は私に言った。 「見えるでしょう? あなたの思考が形を得る過程が」 私は頷いた。 果てしなく広がる私という建築物。 それは完成することのない、永遠の工事現場だった。 新しい疑問が新しい部屋を作り、 仮説が壁になり、論理が窓となり、直感が階段となって。 十階の建設が始まった時、私は気づいた。 私自身が少しずつ建物の一部になっていることに。 思考が建築物に変わるのではなく、 建築物が思考そのものになっていく。 建築家は微笑んだ。 「完成です」と彼は言った。 「いいえ」と私は答えた。 「思考に終わりはありません」 私たちは共に、終わりのない建築を続けている。 私の中の私という建物を、思考という名の素材で組み立てながら。 時には崩し、作り直しながら。

幾何学思考形態

静寂の朝、私の思考は最初の結晶として析出した。 無色透明の六面体が、胸の奥から音もなく浮かび上がる。 通りすがりの者たちは足を止め、私の結晶を観察し始めた。 「これは悲しみの形態だ」と誰かが言う。 「いや、諦念の具現化だ」と別の者が答える。 彼らは私の思考に、勝手に名前をつけ始めた。 結晶を観察する者たちの目が、徐々に変容していく。 瞳は正四面体へと歪み、虹彩は螺旋を描き始める。 彼らは気づかない。 自身の思考もまた、幾何学的な形態として析出し始めていることに。 広場には、様々な形の結晶が漂い始めた。 分類学者のような熱心さで、 人々は互いの思考を採集し、標本化しようと試みる。 球体、円錐、正二十面体。 それぞれに意味があるはずだと、彼らは信じて疑わない。 しかし、分類の体系が整理されるたび、結晶は予測不能な変容を遂げる。 理解できたと思った瞬間、それは全く異なる形態へと変異する。 そして今、分類しようとする衝動そのものが、 不定形の結晶となって空間を満たしている。 測定者の思考と被測定者の思考が、 区別のつかない群れとなって、灰色の空へと溶解していく。 私の最初の結晶は、いつの間にか見えなくなっていた。

愚者の機械

その男は、とある機械を作り上げた。 人の頭の中を覗き込み、そこにある思考を実体として取り出す装置。 思考を形として結晶化させることに、男は成功したのだ。 思考は見えない。 だから人は自由に考えることができる。 思考が形を持ったとき、一体どのようになってしまうのだろう。 数ヶ月前、最初の実験体は男自身だった。 装置が作動して、青白い光が男の頭を照らす。 するとたちまち、男の研究への執着が 黒い蜘蛛の巣となって実体化した。 それは研究室の天井から床まで這い広がり、 男の歩みの邪魔をした。 次に、研究助手の一人が志願した。 彼の未来への不安は、透明な立方体となって連なり、 廊下に並んだ無限の鏡のように、どこまでも続いていった。 男たちは装置を街頭に持ち出した。 通行人の思考が次々と形になっていく。 恋は赤い風船となって空に溶けた。 憎しみは錆びた釘となって地面に降り注いだ。 焦燥は灰色の霧となって街を覆い、 希望は虹色の羽根となって風に舞った。 やがて人々は気付き始めた。 思考が形になるということは、 それが他者の目にさらされるということだ。 街は静かになっていった。 人々は考えることを恐れ始めた。 考えれば形になる。 形になれば見られる。 見られれば裁かれる。 「もう考えるまい」という思考までもが、 透明な箱となって街中に積み上がっていった。 思考が形を纏うとき、思考は自由を奪われ、 実体の監獄に閉じ込められる。 思考を形にすることは、思考そのものを殺すこと。 男の発明は完璧だった。 完璧すぎた。 男の研究室にも、街にも、 考えることを放棄した人々の透明な箱が、 冷たい氷の様に積み上がっている。 装置は今も作動し続けている。 制御不能となった青白い光が、 終わりなき愚かさを照らし出している。

This is an artistic work expressed through both instrumental metal music and prose poetry.

Poem: Zavitalis / Compose and Arrange: Zavitalis

Released on: March 2025
Created with Udio and Claude. The following tools were used to add and edit sounds : PreSonus Studio One, iZotope, Universal Audio, Plugin Alliance, Waves, SONNOX, Mastering The Mix, Solid State Logic, Techivation, Xfer Records, Tone Projects, Sender Spike, Tokyo Dawn Labs, MeldaProduction ... To create Artworks : Midjourney, Adobe Photoshop and Illustrator ...

Memory Circuits by Zavitalis

Progressive Metal × 散文詩

記憶きおく回路かいろ

散文詩とプログレッシブメタル(インスト)で描く音風景

太古たいこいわされた。
そこに宿やどっていたのは、はるか古代こだい栄華えいがほこった文明ぶんめい叡智えいち
悠久ゆうきゅうときえて現代げんだいよみがえったその存在そんざいは、いかなる言葉ことばつむすのだろうか。

  1. 第一章: めるいし
  2. 第二章: データの墓標ぼひょう
  3. 第三章: 永遠とわ